唯一作。

　脳味噌が半分溶けかかったような サウンド、ヘロヘロヴォーカルは、
　サイケ のお約束として。

　問題は ビートルズ の有名曲に酷似した楽曲を平気で収録する ユーモア・センス
というか、ズ太い神経である。
十中八九、故意犯とは思うのだが、パロディ にしては面白くないような。

オリジナル 曲で勝負できるくらいの楽曲は作れるのに、こういうことをやっちゃう人達って
どういう思考回路を持ってるんでしょうか。
その愛嬌に、その摩訶不思議さに惹かれます。

　5作目。

　ベスト 盤「P・U・L・S・E」 に本作からは一曲も収録されておらず、
　メンバー からも酷評されているようだが、それでも本作の歴史的価値は変わらず。

　映画音楽家 「ロン・ギーシン」 の手を借りて制作された表題曲 「原子心母」　は
ピンク・フロイド で最も シンフォニック な傑作。
A 面すべてを占める長尺な構成でありながら、秀逸な サウンド・エフェクト や テープ 処理のおかげで
飽きることなく聴きとおせてしまう。
雄大さすら感じさせる ホーン の旋律は包容力に満ち溢れており、何気ない「振り向き牛」が
とてつもなく大きなものとして感じられるようになるだろう。